虚円の士に近づくために
以前働いていた職場のボスから聞いた言葉で忘れられないもののひとつに、「虚円」があります。
中国の古典「菜根譚」の一節
『功を建て業を立つるは、多くは虚円の士なり』
―建功立業者、多虚円之士―
から採り上げたもので、素直で機転のきく人物を「虚円の士」といっています。
ボスから聞いた時は、自分の価値観や考え方にとらわれず、素直に、という点に焦点が置かれた話でした。
以来、ことあるごとにこの言葉を思い出して・・・、と言いたいところですが、残念ながら虚円であることを実践できていません。つい、話してくれる相手に対する先入観から、自分から勝手にフィルターをかけ(多くの場合、受け入れようとしない態度で)、話を聞いている私がいます。
このような態度を取るだけで、自分にも取り入れられる良い考えを得るチャンスを取り逃しているのかもしれません。
たとえ考え方を受け入れたくない相手や苦手な相手でも、「中には自分に取り入れられる話や考え方があるはずだ」という姿勢で臨む。忘れてた大事なことを思い出しました。